マジックの効果を「発揮する」と「使用できる」

今日はマジックに関するルールについておさらいしたいと思います。


先日の“武威煌炎刃”の記事に「マジックの効果を発揮する」と「コストを支払わずにマジックを使用できる」を混同している方が多いのではないか? と言うコメントを戴いたのが発端です。


2つのテキストを用意します。


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“堕天神龍ヴィーナ・ルシファー”

【合体時】Lv3:フラッシュ『このスピリットのアタック時』
自分の手札にあるスピリットカード1枚を破棄することで、自分のデッキの上から、マジックが出るまで破棄し、そのマジックカードのフラッシュ効果を、コストを支払わずに即時に発揮する。


公式Q&Aより
Q5: 相手の「フィールド」に「BS03-113力奪う凱旋門」Lv2があるとき、このスピリットの【合体時】効果を使ったら、破棄されたマジックのフラッシュ効果は発揮する?
A5: はい、発揮します。このスピリットの【合体時】効果でマジックの効果が即時に発揮しますが、マジックを使用してはいないので、「力奪う凱旋門」Lv2があっても効果を発揮します。また、「BS02-083鏡の回廊」のLv2効果などでも無効にはできません。


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“神弓鳥ペリュトーン”

【合体時】『このスピリットの合体アタック時』
自分のデッキを上から1枚オープンできる。そのカードがマジックカードのとき、そのカードのフラッシュ効果を、コストを支払わずに即時に使用できる。使用しない、または、他のカードのときは手札に加える。


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この2つの【合体時】『このスピリットの合体アタック時』の効果における作業はなんとなく似ています。
“堕天神龍ヴィーナ・ルシファー”のほうは手札のスピリットを1枚破棄しますが、その後デッキトップからマジックが出るまで破棄を続け、出たマジックのフラッシュの効果をコストを支払わずに発揮します。
“神弓鳥ペリュトーン”のほうはデッキトップから1枚オープンし、それがマジックなら、そのフラッシュの効果をコストを支払わずに使用できます。


ぶっちゃけ両者ともこの効果でマジック“バスタースピア”が出た場合は「ネクサス1つを破壊する。」で、ネクサスを破壊します。


両者ともに作業的には「アタックして」「効果でデッキをオープンして」「マジックで破壊」していますね。
非常に似ています。


しかしルール上勘違いしてもらっては困るのが、前者“堕天神龍ヴィーナ・ルシファー”はマジックの効果は「発揮されている」のですが「使用してはいない」のです。
そして後者“神弓鳥ペリュトーン”はマジックの効果を「使用している」のです。
両者のテキストはこう読み取らなければいけません。
この2つは似ていますがハッキリと区別されているのです。


そして上に貼り付けた“堕天神龍ヴィーナ・ルシファー”の公式Q&Aにあるように「発揮する」の場合は“力奪う凱旋門(LV2)”や“鏡の回廊(LV2)”の効果もすり抜けます。


また先ほどのケースで“バスタースピア”がオープンされた時を考えますと、もしフィールドに赤シンボルが無く、相手フィールドに“力奪う凱旋門”が配置されていたのなら、前者“堕天神龍ヴィーナ・ルシファー”の効果で“バスタースピア”が出たなら、赤シンボルがフィールドに無い状態であっても、その効果で“力奪う凱旋門”を破壊する事ができます。
しかし後者“神弓鳥ペリュトーン”の効果では“バスタースピア”が出ても、赤シンボルが無いので赤属性のマジックを使用することができず、“力奪う凱旋門”を破壊する事はできません。


また「発揮される」の場合は【氷壁】で消す事もできません。


一見「発揮される」のほうが「使用できる」よりメリットが多いようにも見えますが、例えば【光芒】なんかは「バトル終了時、自分がこのバトルで使用したマジックカードすべては手札に戻る。」ですので「発揮した」だけで「使用していない」“堕天神龍ヴィーナ・ルシファー”の効果によるマジックは【光芒】で手札に戻す事は不可能になります。


両者「一長一短」でもありますので、混同しないようお気をつけ下さい。